在りし日のハヤカワであれば分冊せずに出せたんだろうけど、角川文庫なんだから無理だよな。ま、最近は本も売れないらしいし、分冊にしたほうが値段も高くつけられるだろうしで都合がいいんだろうね。
とまぁ、そんなわけで昨年夏に刊行されたことに最近気づいて慌てて買ったのですが、マンガやラノベではないちゃんとした(?)小説を読むのは久しぶり(考えてみりゃフロスト気質以来だな)なので、読み終わるのに 10 日程かかってしまった。読んでないと読むスピードも衰えるのだなぁ。つーか以前であれば徹夜してでも読み終えただろう面白さなのに、それをしなかったってことは歳をとったってことなんですかね。
大筋としてはよくある話だとは思うのだけど、構成が複雑なことと登場人物が多く先がなかなか読めないのと伏線バリバリなおかげで読んでて飽きない、というか止めどころが難しい。
しかしそれ以上にフロスト気質とおんなじよーに出てくる子供の親に感情移入しちゃうどころか、この話だと登場人物がなんでこうなったかってところも割と細かく語られるので、ウチの子はこうなって欲しくないなぁ、とか、せめて自分の意志で自分の人生を歩いて欲しいなぁ、とかそんなことも考えながら読んでたので中々話が頭に入ってこないという(苦笑)。
後書きによると次回作の刊行予定もあるみたいなので、首を長くして待ちたいところ。でもきっと、昔楽しんだようには楽しめないんだろうなぁ、と思うとちょっとだけ寂しい。
ちなみにドン・ウィンズロウの本を読んだことがないのであればこの犬の力よりも個人的には不動の最高傑作であるカルフォルニアの炎をオススメ。それにしてもミステリってジャンルは幅が広いね。
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